1997年にスキルス胃ガン余命5ヶ月と診断された松尾倶子さんが代表を務めるガン患者会。きっかけは、病院だけではガン患者の不安を減らせない、というご自身の経験です。
胃をはじめ胆のう、脾臓など内臓を手術でごっそり取った松尾さん。ある日、背中が痛み息をするのも苦しい。1週間前に通院している病院で定期検査していましたが、そのときはパーフェクト! それが急に痛み出した。辛さがたまらず再度受診。診察はいつもの主治医ではなく、その日の当番の別の医師でした。松尾さんのカルテを見て、「1週間前検査してますね。異常ないですよ。気のせいじゃないですか?」と言う。それでも事情を説明して、CTや血液検査などしてもらいました。結果はやはり異常なし。どこも悪くない。診察した医師は「あなたみたいに、ちょっと悪くなると再発だ転移だと悩む。そういう患者ってのはガンになりやすい。そんな患者は相手にしてられないッ」と、待合室に大勢の人がいる前で言い放った。
その帰り道、「私みたいな図太い人間ならいいが、こんなこと言われた患者さんはどこに悩みを持っていけばいいんだろう…これは病院じゃない、患者同士が集まって仲間づくりをしなきゃいけない」そう思ったのがきっかけだそうです。
さらに松尾さんは、2000年にガン克服日米合同富士登山、2002年にホノルルマラソンに参加。このとき新聞社から取材を受け、「富士山、ホノルルと二つ目標をクリアしましたね。三つ目の目標は何ですか?」と訊かれ、「来年の春までに患者会を立ち上げます!」と思わず宣言してしまった。それが新聞に載っちゃった。そうしたらその記事読んだ方々から新聞社に問い合わせが殺到したそうです。もうやるしかない!4ヶ月、「青葉の会」が誕生しました。