あおば通信 代表エッセイ

狭い本棚に野草・野の花など好きな花の本でいっぱいだったのが、ここ何年かガン関係の本で占領されました。
 私事ですが、ーーあなたのガンは胃の粘膜を毛細血管のようにしみ込んでいく、進行型の胃ガンで、例えていうならば元アナウンサーの逸見政孝さんといっしょのーー
 亡くなった人の例をだされた、外科医のあの凄まじいガン告知に、「見返してやる、絶対元気になってみせる」という思いだけでこの10年、無我夢中で走ってきたような気がします。
 昔から薬嫌いで、入院中は極力痛み止めを避け、抗がん剤は打たない、飲まない。そのせいか術後の経過がよく、主治医いわく「自然治癒力の見本だ」とおほめの言葉までいただき、退院しました。
 いま術後10年目を元気に迎えらるのは、本当に家族はじめ色々な方の支えがあってのことと、改めて感謝の気持でいっぱいです。
 この1年も各グループリーダーのもと、いろいろな行事が企画されました。私が患者会を立ち上げて常に頭から離れない、行事のたびにいつも思うこと。参加したくてもできない方、入院中のベッドで何度も何度も「あおば通信」を読んでいるといわれる方に、何か伝達できる方法はないか。行事に参加できなくてもお互い共有できる思いを、先輩の患者の私たちがどのようにサポートしていくか。
 そういう思いで、先日の「食と医療を考える1泊セミナー」を企画いたしました。特に医療グループリーダーの毛屋氏、桝谷さんには参加できない方、また当日のみ参加される方からの質問・要望を事前にとっていただき、一番希望の多かった腫瘍内科専門の先生との話合いに焦点をおき、ご多忙な中、九州がんセンターの化学療法科部長で、昨年青葉の会副代表の西川美輝子さんの主治医でもあった江﨑先生に多忙な中をお願いいたしました。
 午前の部の刀坂先生による食の問題の講演会に続いて、にんじんグループによる実技を交えてのこんにゃく温湿布。中食の後、江﨑先生による主治医には話せない質疑応答。夜の部は青葉の会医療アドバイザーでもある内科医大国篤史先生、薬剤師蔵元良行先生を囲み薬の飲み方・取り合わせ、全体のミーテイングなど、と分刻みのスケジュールでしたが、参加された一人一人真剣な眼差しに「治るぞ!」「元気になるんだ」という意気込みに、私たちスタッフも逆にエネルギーをいただいた思いでした。
 今回参加できなかった方、またいろいろなご意見などありましたら、会の方にお寄せください。青葉の会を会員一人一人の声で作っていきましょう。

■平成18年12月